第5章 憔悴
あれから2日後、は家に戻り、僕も任務が終わると直ぐに家に帰り、今までと変わった事と言えば、の笑顔が作り物になった事……そして、寝室を分けた事……今はご飯を食べ終え、ゆっくりと2人でテレビを見てるところ……テレビを見てても彼女の心はここに在らずだけどね……。
「……ねぇ、悟……お願いがあるの……」
「ん?珍しいね、がお願いなんて?なに何?なーんでも言って〜?あっ!“別れる”とか“家を出る”とか“殺して”なんて言うお願いは受け付けていませーん!!」
「ふふっ……あのね、私を沖縄に連れてって欲しいの……任務で忙しいのは分かってるけど……近いうちに……」
「……沖縄…?なーんだ!良いよ!!あ、でも、硝子に動いて良いか確認_____」
「ッ大丈夫……硝子には私が……今日、確認したから……だから、悟の都合がついたら……連れてって?」
何か隠してる?いや、何か目的があるのか?硝子に聞いたって言うのは嘘っぽいな……秘匿死刑で監視がかかっている以上、高専の許可が無いと1人では動けない……だから僕が一緒に行く事が条件なんだろうね……外に出たいと思う事はいい事だけど、何か……引っかかるな……。
「……そっか……じゃあ、良いよぉ〜!!沖縄旅行!!!、確か沖縄って初めてだよね??旅行のプランはまっかせなさーい!!」
「ふふっ、ありがとう……悟……あ、でも、マリンスポーツは却下ね?水着着たく無いとかじゃなくて、私、海が苦手だから……」
「………プライベートビーチでも?」
「うん……海は入るものじゃ無いの……私は見てるだけで良いから……」
「ふ〜ん……ま、海以外にも良い所いっぱいあるからいっか!!いやー、楽しみだなぁ〜?あっ!!よく考えたら、僕たちの初デートじゃ無い!?」
「……ふふっ……悟って、変わらないね……大好きだよ……悟……」
「ッ!?……ねぇ、このまま、触れるだけのキスしても良い?」
「ッ……うん……」
久しぶりの悟の温もり……はしゃぐ悟の頬に手を伸ばして気持ちを伝えた……そしたらその手を悟の大きな手で包み込んでくれて……穢れた私に触れる彼に罪悪感を背負いながら小さく頷くと触れるだけの優しいキスをした……。