第4章 暗転
半ば体当たりに近い形で破りに行くと、一打目でヒビ…でも制限で反動の力が加わって跳ね返されそう……でも……そんなのは気にしない……残りの呪力を右手に溜め、ヒビの上へ二打目を振り下ろすと勢いよく帳が割れシヴァが最速で駆け抜けた……。
「ハァ……ハァ………シ…ヴァ……任せた……よ……」
シヴァが抜ける瞬間、手を伸ばしてみたけど一緒に抜け出すのは無理だった……分かってたんだけどね……まぁ、この高さから落ちれば死ぬかな……?呪力も使い切っちゃったし……ほら、真っ逆さまに落ちていくのがスローモーションに感じてるから、死ぬかな?頭から血も流し過ぎてるっぽいし……。
「……サ………トル………ご……め………」
「……相変わらず無茶をするね、……全く……キミは人に心配かける天才だよ……私と悟にね……すまない、怪我を負わすつもりは無かっただけどね……」
「……ス……グ………」
流石は特級呪術師……帳を破って逃したか……あ、真っ直ぐに頭から落ちてくる………そのまま落ちると死んじゃうよ?
すぐに飛行呪霊の背に乗り、を抱き抱えると頭から血を流し、僅かに私の名を呼ぶと意識を失った……。
「、私を許さなくて良い……」
遠のく意識の中で、懐かしい……傑の優しさに触れた気がする……だけど同時に哀しみも伝わって来た……傑……一緒に帰ろ……?アナタは……悟の………。
「……硝子〜っ!〜わぁ〜?」
「チッ!!煩いクズっ!!はまだ帰ってない!!補助監督代行で真希に着いていくって連絡来ただろ!!」
「んー、それがさぁ〜、連絡しても繋がらないし、既読にもなら……っ!!?」
「ッ!?侵入者??」
「悪い、先に行くッ!!!」
任務を終えて真っ先にの気配を探したけどまだ帰ってないみたい……硝子のトコに居たらいっか!!軽い気持ちで医務室へ行ったのに、非登録の呪力の侵入を知らせるアラームが鳴り響き、僕は直ぐにその場へ飛んだ……。