第4章 暗転
ミゲルは今のには勝てると思ったけど、やっぱり簡単にはいかないね〜?これ以上長引くと危なかったけどどうにか間に合ったね……の帳が上がって猿が私の帳の中で驚いて叫んでる……。
「んだよ、この帳ッ!!解けねぇし、何でさんが襲われてんだよっ!!くそっ、開けよッ!!!」
「はぁ、全く五月蝿いな……君があそこに行っても、なーんにも出来ないよ?実力の差なんか見たら分かるでしょ?」
「………ッ……」
「あぁ、すまない……急にこれだけ強い呪力量を浴びると息が出来なくなるね?まぁ、少しだけ、そこで見てなよ……地に伏せてね?」
呪霊を倒し終わったのに帳が開かず、更にさんが襲われてる?意味が理解出来ず帳を叩きながら叫んでいると背後に現れた男に全身から汗が噴き出て、息の仕方を忘れた……凄い呪力量……重い……コイツ……ヤバい………まるで落ち着かせる様に肩を叩かれた瞬間、膝から崩れ落ち短い呼吸を繰り返した……そして一瞬の間に帳が開き、気付いた時にはさんがその男に投げ飛ばされていた……。
「カハッッ……ッ!!?」
「ダメじゃ無いか、……油断しちゃ?」
「……ッ真希ッ!!くっ……傑、じゃ……ッ!?」
「ゲトウ、危うくオマエを呪ウトコだったゾ?」
「くくっ、まさか、ミゲルが今のに押されるとは思ってなかったからね?さ、猿を片付けて一緒に行こうか、?分かってると思うけど、ミゲルの縄は簡単には解けないよ?あの猿も私たちの呪力圧にやられてるんだ……?生かす価値もない……」
「チッ……傑……私が諦め悪いの分かってるよね?」
「ッウグァッ!!」
「ッ……そう来たか!」
「縄なんて捉えるだけなら外す体術は持ってるわよ……傑と悟に散々鍛えられたんだ!!悪いけど、今日は退かせて貰うわ……」
「……させるとでも?」
「護るべきものがあるから、するわよ」
ミゲルと呼ばれる男の縄が右手に絡まり拘束された……これじゃ、私が止まらないのは変わってるよね?逆回転で縄を外し男を投げ飛ばすと傑と正面を向き合い、あの頃と変わらない優しく微笑む傑を睨み付け呪力を練り上げた……。