第1章 序章
イベント開催が多い時って、ホント、沸くよね……嫌気が差すよ、七海が言ってた通り、呪術界はクソだよねー……それに、最近、ある呪術師が死んだって通達が来た……“ チヨ”……あの事件の後、姿を消した孫娘、 の祖母がね……。
「……あれから7年………おばあちゃんが亡くなったから何か掴めるかと思ったけど……何も手がかりなし……か……」
なぁ、……あの日、あの事件の後、呪力が無くなって呪術師としては生きていけなくなった……だから俺達の前から消えたの……?
俺はが姿を消したあの日から、ずっとの居場所を探してる……何度かチヨさんにも会ったけど、何も教えてくれなかった……五条の当主である僕の事も特別視せず平等な彼女を好きだった……高専外での行動で、全てを把握はしてなかったけど、あの人が簡単に殺られるとは思えないんだよねー。
「……伊地知……今日はこのまま帰って良いよ……僕、適当にして帰るから〜!」
「で、ですが、五条さん……明日は早朝から……」
「……伊地知……、お前、僕が逃げるとでも思ってんの?ま、あのクソジジィどもの話はバックれたいけど、そんな事したら、後から学長にそれ以上にドヤされるからねぇ〜……朝には戻るよ!ま、朝、迎えに来てよ!じゃあーねぇ〜!!」
「あ、えっ!?あ、は、はいっ!」
伊地知と分かれて、夜の街へと駆り出すと歩いてるだけで女の子が寄って来る……ふとした時にの事を思い出すと、僕には最後の涙の顔しか思い出せないんだよ……写真の中では満面の笑みを浮かべてるのに……今日も適当にに似た……いや、似ても似つかないんだけど、ただ、欲を吐き出すだけに利用する……。
「………最低だな……“俺“……」
「え?」
「なんでもな〜いよ……!」
ねぇ、……お前は少しでも僕のこと思い出したりする…?いや、お前が思い出すのは傑の方かな……?お前、傑のこと、好きだったんでしょ……?それでも僕は…… の事が……。
明け方、隣で眠る女を置いて自宅へと戻り、シャワーを浴びて、迎えに来た伊地知の車に乗って、ジジィ達の元へと向かった……。