第3章 選択
が意識を失う瞬間、流した涙を拭い、家まで送り届け、ベッドへ寝かしつけると、大きくため息を吐いた……任務なんて行きたくない……このまま、の側に居たい……けど、外では送らせた伊地知が待ってるし……秒で終わらせて帰って来ると誓い部屋を後にした……。
「もしもしぃ〜?硝子〜?」
『なんだ、クズ!今日は女子会だ!他を当たれ!』
「いゃ〜、それがそうとも言ってられないんだよねー……」
『……何があった?』
「……が直哉にやられた真希の治療の為に、術式を使っちゃってさ、今、僕の家で寝させてるんだけど、僕も任務を秒で終わらすからさ、硝子にもすぐに帰って来て欲しいんだよね?が絡んでるなら歌姫も納得するでしょ?」
『………すぐに出る!五条、お前、三時間後には戻っとけ!後、傷の詳細もメールしておいてくれ!』
「悪いね、硝子……歌姫にもよろしくー」
伊地知と合流し、急いで現地へ向かう途中で京都に居る硝子へ電話し、すぐに戻って貰った……の場合、反転術式でも全快出来ないんだけど、ダメージは軽減出来る……後は、の回復力に頼るしかないんだよねー。
少し遡り、僕がを連れ帰っていた頃……校舎の窓から2人の男がを監視していた……。
「夜蛾よ…… を早く復帰させろ……ヤツも秘匿死刑を望んでるわけではあるまい……」
「……本人の意思が硬いので、中々手こずっているのが現状です……私も悟も……」
「時間はあまり無い……呪術師に戻らぬなら、危険因子として死刑を早ねねばならん……あやつの力を狙うのがワシらだけとは限らんからな……こちら側につかぬのであれば……致し方が無い……」
「……それは、あまりにも一方的過ぎるかと……少なくとも私には、が呪詛師に加担するとは……」
「可能性は排除せねばならん……情に流されるなよ……力が戻ってるのはさっきので確証済みじゃ……」
僕の知らないところで学長同士……いや、保身バカのお爺ちゃんがよからぬ話をしている事を後から学長から聞くことになった……上の好きにはさせない……は僕が守るよ……。