第3章 選択
直哉の攻撃は易々とかわせる……大丈夫…?禅院家……呪力使わなくても、あのバカ、砂だらけなんだけど……もちろん、私に攻撃は届いてない……あー、しょうもない……早く諦めろよ……。
「くっそ!!何で当たらんねん!」
「え?そりゃ、実力の差よ?そろそろ諦めろよ……」
「……もぉええわ・・・ちゃん、後悔しいや!」
「ッ!!?」
「ッ!速い……ゴホっ……さん逃げろッ!!」
「ッ……“とま・・・”ッ!?」
「問題ない……今はそれ以上、呪言は使うな……」
「“問題ないか”……どこまで強がれるかなぁっ!!可愛い顔に傷付けたらごめんやでぇ?この、呪力のない落ちこぼれがっ!!」
高専内で術式使っちゃダメでしょ……散々投げ飛ばされキレた直哉が術式を発動し、消えた・・・と言うより・・・コイツ、マジで痛い目見ないと分かんないかな?真希も棘も心配してくれて可愛いじゃん!
呪力を使わなくても、直哉の術式の最後のパネルに合わせてカウンターを入れるのは簡単……さて、ちょっと痛い目見てね?
移動の間に飛ばされる攻撃を避けながら、瞬時に目の前に現れた直哉の攻撃を交わし胸ぐらを掴み地面に叩き付けると顔に当たる寸前で拳を止めた……殴るとヤバいからね〜。
「ッううっ!!」
「これで分かった?直哉が本気じゃないのも分かってるけど、生半可な攻撃じゃ、私には勝てないよ……今日は帰れ……それから、次にこんな事しやがったらタダじゃおかないからね?じゃあね!」
「ッ待てやぁ!!ぶっ殺す……どうせ秘匿死刑やろ?それやったら今、殺したるっ!!」
「ッ…棘ッ!!真希を連れて逃げろっ!!」
「おかかっ!!」
「逃すわけないやろっ!!」
「「っ!!?」」
「ッ!!真希ッ!!棘ッ!!」
「お前の相手は僕や!!泣いて謝ったら許してやってもええどな?」
「っく……ッ!!」
「もう、さっきみたいには行かんやろ!!死ねやッ!!?」
諦めて帰るわけもなく、かなり呪力量が上がってきた……本気だ……二人に逃げる様に声を荒げるも二人とも蹴り飛ばされて……巻き込んだ……ごめん、二人とも……私も二人に気を取られまともに攻撃を喰らうと、その場に膝を突いた……。