第3章 選択
半ば八つ当たりの様に半ギレで部屋を後にし、自販機のある休憩所へ向かい、何気なく椅子へ腰を下ろし、天を仰ぎ目を閉じた……私、何してるんだろ……ここに居れば確かに呪詛師に狙われる事は無くて安心……悟が居ない時間を使って、七年間の呪術師や世の中の動きも掴んだ……でも、アイツに関する情報は無い……もう少し、調べなきゃ……。
「珍しいな、がここに居るとは……」
「ッ!あ、夜蛾先……学・・・長・・・」
「呼びにくそうだな……好きに呼べ……は紛れもなく俺の教え子だからな……」
「じゃ、先生!」
「パンダからが校舎に来ていたと聞いてな、、、」
「……相変わらず、不器用ですね?素直に呪術師に戻る気になったか、聞けば良いのに」
「うっ……で、正直なところどうなんだ?」
数分間、目を閉じていたら、隣に座る気配に気付き、声の主に目を向けると、相変わらずの不器用さに笑いが溢れた。
三ヶ月、進展がない以上、悟と上層部の板挟みになって、大変よね……まぁ、それでも、私たちの味方に就いてくれてる頼りがいのある先生なんだけど……。
「残念ながら、戻る気はないですよ!それに今日は、ストレスの主から解放された嬉しさで散歩に来ただけです!」
「……そうか……俺はコレから楽巌寺学長との打ち合わせがあるから……、近いうちに俺も飲みにーーー」
「正道!!今日、直哉が来る予定だったか!?」
「いや、そんな予定はないが……まさか!?」
「おうっ!そのまさかだ!!練習場に急に来て、真希をっ!!」
「ガッテムッ!!俺は会議の前に禅院家へ抗議の電話をしておく!!それに今日、硝子は京都に出張だっ!!パンダは硝子にも連絡をっ!?おい、?」
「……あの、カスやろう………先生、またね!次は誘うねー!」
「お、おい、!?」
先生と他愛の無い話をしてたらパンダが全力で走ってきて、禅院 直哉が来てるって……確か、悟が禅院家に箝口令を出してたはず……悟が居ないのを良い事に……何しに来たんだ?