第2章 高専
自宅に着き、をベッドに寝かせると未だに涙を流す姿に胸が痛んだ……ねぇ、そんなに、僕のこと嫌い?それでも僕は、を諦めるなんて出来ないよ……。
「……さ……とる………ごめ……」
「……謝らないでよ………好きだよ、……おやすみ……」
に名前を呼ばれたのはいつ振りかな……俺だけずっと“五条”って、傑や硝子みたいに名前で呼んでくれなかったから、その時も良く喧嘩したっけ?名前を呼ばれただけでここまで嬉しいなんて病気だな……。
「……っ……あったま痛い……それに………重いっ!!!」
またデジャブ……重さの原因は昨日と一緒で悟の腕にボールドされてる……何で一緒のベッドで寝てるのよ!!
「ッ、起きて、五条っ!!重いっ!!」
「んー、おはよ〜、〜……んー、おはようのキスしてくれないと起きれない〜!」
「ッ?!?っ、バカなこと言ってんな!」
「ッ!い、痛いっ!!!グットルッキンクガイな僕の顔に頭突きをッ!」
「五月蝿い!!どうせ、無限張って当たって無いでしょ!」
朝のルーティンと呼べるくらいのこのやり取りが数日続き、私は漸く諦めた……悟曰く、別々だと前みたいに逃げ出したりするから、コレも譲れないと……完全に私の自由は無くなっていた……。
でもそれが、気付かないうちに護られてたと知るのはもう少し後の事……よく考えたら分かること……幼い頃から六眼の持ち主として命を狙われてた悟の家は、複雑な呪力で護られていて外からの攻撃を弾いてくれてた……。
そして、昼間は殆ど私と居た悟は私が寝た後に、任務をこなしてたと知った……。