第2章 高専
俺はバカか……硝子に釘を刺されてたのに……感情的になった……確かに女の子とは遊んでるよ?俺も男だし……欲もあるし……でもね、抱いてきた女は全部の代わり……ただの吐け口……って、そんな事言っても意味ないよね……でも面と向かって言われると堪えるな……。
「……最悪だ、僕………“コレ”をまだ身に付けてくれてたから……期待しちゃうでしょ……あー……ガキだな……僕………」
ベッドルームを後にしてソファに深く腰掛け昨日拾った見覚えのあるネックレスを片手に天を仰いだ……昨日、が落としたと思われるネックレス……見つけた時は驚いたよ……高二の夏……四人で行ったお祭りの時に僕がにあげた物……屋台に並んでた本物……が珍しく見入ってたからこっそり買ったプレゼント………。
「………探さなきゃ……悟がくれたネックレス……」
私の能力の一つ……自身や周りの気配を消せる事……悟が私の監視下に敷いたのも理解できる……六眼であっても気付くのが遅れる呪術式……。
「……暫くは気づかないでしょ……ごめんね、悟……」
服を着替え、静かに術式を発動し、悟が部屋に入って来ないことを確認した後、部屋を後にし、一度自宅へ戻り、シャワー浴びて、昨日の現場まで足を進めた……あの宝物は無くしちゃいけない……アレが私の生きる希望だから……悟がくれた…悟の瞳の色に似たサファイアのネックレス……。
「……ない……呪霊と一緒に祓っちゃたのかな……ッ!!?ぅぐぅっ……ッ!!?」
現場に着き、探し始めて一時間以上が経って少し諦め気味に肩を落とした瞬間、背後より腹部へと衝撃が走り、同時に背に受ける痛みに顔を歪めた……。
「……静かだな………ッ!!?おい、ッ!!?しまった……バカか、僕はッ!!!」
ソファに固まったまま一時間以上が経過した……部屋からは出て来てない……と言うよりも異常に静か過ぎる……僕はサングラスをずらし部屋を凝視するとが居ないことに気づいた……感情的になり過ぎて配慮に欠けた……僕は慌てて部屋を飛び出し、昨日の現場へ移動した……。