第2章 高専
硝子に一方的に私が今までのことを話して、分かんない部分もあったと思う……それでも硝子は最後まで黙って聞いてくれて……話しが殆ど終わりかけた時……私は力尽き再び眠りについた……硝子の渡してくれたお茶に鎮静効果があったみたい……。
「…………なぁ……五条……この話、聞かなかったことにしろよ……この話は本人から直接聞け……」
「………通りで見つからなかった訳だ……でも、硝子……僕、ダテに片想いして無いよ?七年間、恋煩いおこしてるからね!無駄に悲しませたりはしないよ……」
「……そう言う意味じゃない……あの日、が隠し通そうとした事実……どんな気持ちだったか……どれだけの想いを切り捨ててきたか……ちゃんと理解しろよ…?」
「…………わかってるよ………あの時、死のうと覚悟したを生かしたのは僕………それなのに、あの後、すぐにが居なくなって、後悔したよ……もっと早く想いを伝えとけばってね……どんな結果になってても、僕はを諦めなかっただろうから……」
「…………お前達は……いや、今日はこのまま寝てると思うから……諦めて帰れ……私も一睡するから……って、おい!何してんだ、お前……」
「ん?僕んち連れて帰るの!ここに居ても寝てるだけなら、僕の家でも大丈夫でしよ?何か異常があれば連絡する……」
「ちょっ………あーあ、行っちまったか……厄介な男に捕まったな、……さて、私も一回休むかー!!」
立ち聞きする気は無かったんだけど……の術式には禁忌があるのか……知らなかったなぁ〜……硝子が呆れた顔で僕のこと見てくる……心配する様な事はしないよ……今日は起きないって言うから、僕はを抱き上げ自宅に帰る事にした……更に呆れた顔で硝子が見てくる……ま、そんなのは気にしないけどねー!
そう言って僕は自宅前まで移動するとをベッドへ運び、あどけなく眠るの手をとり、ずっと探していた想いの人が目の前にいる事に安堵した……。
「……もっと俺を頼ってよ……傑みたいにはいかないけどお前を笑顔にするために頑張るから……」
俺は包帯を外し、誓う様にの手に唇を寄せた……。