第2章 高専
冷たい風が吹き抜ける……漸く見つけた……あの日、傑が呪詛師として認定され、あの場で見た泣き顔を最後に、姿を消したがここにいる……今、何を思ってる?無理矢理連れ戻したこの場所を、キミは今、何を思って眺めてるの?
「……変わらないね……こ……ッこ……ッゴホッ…ゴホッ!!」
「!?」
「触らないで……大丈夫……昨日のダメージが戻ってないだけ……」
「……血を吐くまでの精度って……よっぽど関わりたく無かった訳ね……ま、とりあえず、硝子のトコ行くよ!アイツもお前に逢いたがってたから!」
「ッ!?自分で歩けるから、降ろし……ゴホッゴホッ……ゥっ……」
「……無理しないで……ごめん、分かってたのに、俺が無理矢理破ったから……ごめん、お前を傷付けるつもりは無かったのに……」
昨日のダメージで吐血し、驚く悟を抑えながらも、体格差からか、簡単に悟に抱き抱えられ、次第に意識が遠のく中、心配そうに見つめ、昔の口調で謝る悟の声を遠くに聞きながら意識を手放した……。
悟……こんなに逞しかったっけ……?あの頃から体格は良かったけど…………あ、自由に動けるなら、アレ探しに行かなきゃ……私の…大切な………………宝物……。
「……臓器の損傷は治したから、もう血を吐くことはない」
「良かった……ありがとう、硝子……」
「よく、見つけたな……7年間、手がかりすら無かったのに……で、上からはこの子の監視を?」
「いや、問答無用の秘匿死刑宣告だよ……呪術師であろうと呪詛師であろうとね……臆病者の集まり……ホント、消してしまいたいよ……」
「ここで、そんな愚痴はやめてくれ?同類と思われると困る……でも…戻ったんだな、呪力……それがコイツにとって良かったのかどうかは分からんがな……少なくとも五条、お前は嬉しいだろうな?七年間、諦めなかったからな……で、どうする気だ?」
「……硝子、が起きたら教えて?部屋の用意してくるから、よろしくー!」
五条が慌ててを運び込んできた時は驚いた……血だらけで本気でやり合ったのかと思うくらいにな……正直なところ、が見つかって嬉しい……でも、それがこの子にとってはどうなんだろうな……。