第2章 ふたりのソルジャー
思わず目を凝らしてジッと見つめる。
ピンクのワンピースに、赤いジャケット。
まさか・・・。
「エアリス!?」
私は彼女の名を呼びながら駆け寄った。
エアリスは私たちの姿を見つけると、腰に手を当てて睨んでくる。
「お早い出発、ね」
「いや・・・」
クラウドは気まずそうにエアリスから目を逸らす。
私も後ろめたさを感じつつ、怒るに怒れない気持ちでエアリスを見た。
「エアリス・・・何でここにいるの?」
「それはこっちのセリフ」
エアリスは咎めるような視線を送ってくる。
「わたしに内緒で出て行くなんて酷いじゃない。わたしも一緒にクラウド、送っていくから」
「・・・」
しばしの間を置き、私はため息をついた。
ここから一人で帰らせるくらいなら、一緒にクラウドを送って二人で帰った方がいいだろう。
どうせ駄目だって言ってもついてくるだろうし・・・。
私は諦め半分にクラウドを見る。
「言っても聞かないだろうから、エアリスも連れて行く」
「・・・そうだな」
「そうと決まれば」
エアリスは嬉しそうに笑うと、さっさとゲートをくぐって走り出した。
「早く行きましょ!」
「ちょ、ちょっと待ってよ、エアリス! 一人で行ったら危ないから・・・!」
私も慌ててエアリスの後を追って走り出す。
後ろから、クラウドのため息が聞こえてきた。
・・・ゴメンね。
私は苦笑いを浮かべながら、心の中で呟いた。