第4章 きもち
「嘘だよね?」
「嘘じゃない。」
それを証明するかのように雪は五条を抱きしめる
信じられない、信じたくないというふうに男は首を振って五条を睨んだ
だがそんなことで怯むような五条ではない。
余裕綽々と言った感じで男を見下ろし笑みを浮かべる
要するに完全に煽っているのだ
それに、男はまんまと引っかかった
「いつも愛の手紙を渡してるのに!受け取ってくれるじゃないか!!」
「それはてめぇが無理やり渡してんだろーが」
語気を強めてそういう
一般の高校生より明らかに背が高い五条に男は一瞬怯むもすぐに噛み付いた
「目を覚ましてよ!そんな顔だのやつより俺の方が絶対に大切にしてあげられる!」
「充分大切にしてもらってるから大丈夫。」
何を言っても無駄。という顔をする雪に男は膝から崩れ落ちた
そして両手を地面につき涙をこぼす
「嘘だ…嘘、嘘だ嘘だ」
「じゃあ見せてやんよ」
五条はそう言って雪の顎をもつ
そして自身の顔にちかづけた
「…ん?え、ちょっとごじょっ」
さすがに想定外だった雪が慌てて顔をそらし、思わず「五条後輩」と言いかけるもそれは阻止されてしまう
五条の唇によって
「んぅ…!?っう…」
拒否しようにも、状況的に出来なく、行き場の無い手が宙をさまよう
つぶってしまった目をうっすらと開けるとそこにはいかにも楽しそうな感情が読み取れる綺麗な五条の目があった
「っぷはっ、ん!?ん〜〜〜!」
あまりにも長いキスに息が持たなくなり口を開けるとそこに五条の舌が侵入してくる
自分の口の中で五条の舌が動く
歯茎をなぞられ舌を絡め取られてされるがままになる雪。
頭がボーとしてきて体の力が抜けてくる
遂に立っていられなくなり、体が崩れるもそれを五条の腕が支えた
そのまま後ろに追いやられて背が硬い壁につく。
足と足の間に五条の足が入り、少し持ち上がった。
するとそこに体重を預ける形になってしまう
「ふぅ…!?ん…んぅ!」
ビリビリと快感が体を駆け巡る
力がさらに抜けて五条の足にまた体重がかかってしまう負のループ
雪は早く解放してくれと願うばかりだった