第4章 きもち
どっかいいスポットないかなーと雪がスマホを取り出す。
その瞬間、五条がぴくりと反応し雪の方を引き寄せた
雪の顔が五条の硬い胸にあたり思わず目を見き開き驚いた声を上げる
「えっ」
「来やがった」
五条の周りに一気に呪力が蔓延し始める
さすがに雪も気付いた。きっとストーカーが来たのだろう
(だからって術式は使わないのでは?)
「ちょっと、下手に手上げないでよね。」
「わーってら。それだけならあんた一人で十分でしょ」
「それならいいけど」
雪は心配そうに五条の服を掴んだ
あいつの足音が聞こえる
五条は見えてきた人影に向かって声を上げた
「なんの用だ。んな殺意撒き散らして」
既に喧嘩腰。最初っから話し合って穏便に済ます気なをてなさそうだ
影がハッキリとしてきて、ストーカーの姿が見えるようになった
その左手にはくしゃくしゃの白い紙が握られている
「間違いないね。いつも手紙を渡してくる人だよ」
「ひっでぇ憎悪なこった」
その目には生気が宿っておらず、まるで呪霊のような雰囲気を帯びている
まぁ、例えであって風貌は普通の男で、漏れ出す呪力も一般人レベルだ
やはり術式が使えるわけではないのだろう
「雪ちゃん、誰だよ。その男。」
ようやく男が口を開く
雪は笑顔を浮かべて言った
「彼氏だよ。」