第5章 お酒

「2人も早く選びな」

「そう言われても、どれを選べばいいのか分からないんですけど」

夏油の正論
そりゃ高一はお酒飲んでない人がほとんどだからどのお酒が美味しいかなんて分からない

「フィーリングだよフィーリング。呪術のセンスあるならこういうセンスあるでしょ？」

「意味わかんないです」

「なにいってんのこの人」

早く飲みたくてうずうずしている2人に珍しく行きのあう五条と夏油

「じゃあ、これで」

ようやく2人ともお酒を決めて
缶をあけた

「よし！じゃあカンパーイ」

「「「カンパイ」」」

先輩の掛け声にあわせて4人で缶を真ん中に突き合わせる
缶と缶のぶつかる高い音が部屋に響いた

「んーま！」

「最高」

「まぁまぁいけますね」

お酒を飲んでテンションが上がる2人と、意外な美味しさに驚く夏油

そして

「うっげぇぇ、まっじ苦っ」

「あー、五条後輩重度な甘党だからかな」

どうやらお酒が合わなかった様子の五条

あまりの苦さに舌を出してやり過ごそうとする五条を見て雪が呟く

「子供用ビール買ってくる？」

「ふざけんな」

お財布を出す先輩を五条は口元を拭いながら睨む
お昼でのあの甘々はどこに行ったのだろうか

雪は謝りながらミニ冷蔵庫から缶ジュースを取りだして五条に渡す
それを素直に受け取り、口直しにと素早く缶をあけ飲み始めた

「先輩ってお酒強いんですか？」

明らかに強そうな家入が余裕の笑みでいう

「いんや、全然。」

その返答に3人はすこし意外そうな顔をした

「え、強そうなのに」

「弱いよ。2缶飲んだらベロンベロン」

お恥ずかしいと雪は机に頬杖をついて言った
その頬は心なしか紅潮している