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先輩。【呪術廻戦】

第4章 きもち




「ん!じゃがバターあるよじゃがバター!」

雪はベンチから立ち上がって目を煌めかせる

「ね、あれも買おうよ」

「は?また熱いやつじゃんか」

「いいじゃん!私日本で3番目にじゃがバター好きな人だからさ。たべよ」

文句を言う五条の腕を引っ張っていた手を離し、雪は自信満々に親指を自分にたてた

「1番と2番は誰なんだよ…」

「2番は悟。1番は松山千春」

「意味わっかんねぇ」

自身の先輩の身勝手さに五条は手を頭に当て空を仰いだ
「つーか、最初の自己紹介の時好きな食べ物ないっつってたじゃん」

「それはそれ、これはこれよ」

全く切り離せない事柄を無理やり押し切る
なかなか立ち上がろうとしない五条に雪は頬をふくらませた
「じゃあいいよ、私ひとりで食べるから!」

そう言い、わざとらしく大股でじゃがバターの売店に1人で向かっていった



「食べるんじゃん」
「食うけど」

2人で並んでじゃがバターにありつく

「うんまっ。あつっ」
「夏になんで熱いものしか食わねぇんだ俺ら…うまい。」

はふはふしながらじゃがバターを食べる雪の横で五条は少し死んだ目をしていた

「でも夏祭りで食べるでしょ?じゃがバター」
「…俺夏祭り行ったことない」

「は?」

五条の発言に雪の時が止まる

「え、まじ??がち?」
「まじのがち」

(ボンボンの家って夏祭りすらも行かないの??)

人生損してる。思わずそう言ってしまいそうになったが生まれは選べない
こういう特別な生まれの人は普通の生活が普通に送れないものらしい
(いくら呪術師としての才能を持っているとしてもなぁ)

これじゃあまりにも可哀想だ

今しか味わえない青春ってものがあるだろうに。この人はもっと子供の頃しか感じられない喜びも感じてこなかったのだろうか

「よし、ちょっとまってて」





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