第4章 きもち
「うっわ、あんまそれ」
「食ってないだろ」
「いや、見てわかるよ」
五条は甘党という事前情報を聞いていた雪はパンケーキ屋に五条を連れてきた
人は少なく、知る人ぞ知るという店だ
五条の手元にあるパンケーキはいちごパンケーキにホイップ増量イチゴソース増量し、ハチミツソースをつけたものだった
雪はいかにもゲロ甘なそれを見てうへぇと舌を出す
「つーか、こんな人いないところでいいわけ?」
「ん。逆に人いないとこによく来るんだよねあの人。」
任務は基本車の送り迎えだが、雪は近場なら1人で歩いて行っている。
人混みがあまり好きではなく、人気の少ないところを歩いているがそこでよく会うらしい
「堂々とナンパ出来ないってことかね。明らかに不審者だし」
「…これって1か月か、それよりもっと前からなんだろ?なんで今まで黙ってたんだよ」
「んー、時間が経てば収まると思ってたんだけどね。そうもいかなくて」
苦笑いする雪に五条は先輩らしいとため息を着く
自分のことなのに妙に楽観的なのだ
「さ、早く食べよ。」
雪は目の前のパンケーキに舌なめずりをしてフォークとナイフをもった
五条も待ってましたと言わんばかりにパンケーキにありつく
「ん〜!んまっ」
「ん、うまい」
2人でパンケーキを堪能する
「あ、悟。ついてる」
「あ?」
雪は笑って五条の頬に手を伸ばした
そして口の横のクリームを手に取る
さらにそれを口に含んだ
「ふふ、カップルっぽー」
面白そうに言う雪だがそれとは違い五条は固まった
こういうことを平気でするのだろうかこの先輩
というかどちらかと言うとこれは男がやるほうでは?
ぐるぐると頭の中を言葉が回る