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先輩。【呪術廻戦】

第4章 きもち



「やっぱだめかぁ」
「そりゃそうだろ」

明らかに残念そうにする雪 。辺りにはどんよりとした空気が漂っていた
しかしすぐに気を取り直したように顔を上げて五条にモンスターを渡して自分の分のジュースも買う

「じゃあ夏油後輩に頼むかぁ。まぁ普通にイケメンだしな。前髪へんだけど」
そうボソッと呟きながら五条の横を通り過ぎていく

五条は咄嗟に雪の後ろ襟を掴んだ
「ぐぇっ」
轢き殺された蛙のような声を上げる雪
五条はハッとして手を離した

「びっくりした。死ぬかと思ったんだけど…」
青ざめた顔で五条を見ると、五条はどこか居心地の悪そうな顔をする
そして少しの間の後口を開いた

「まぁ、別に1回だけなら付き合ってやってもいいけど」
「ほんと!?」
ぶっきらぼうに言う五条に目を輝かせて顔を近づけた

「急にOKしてくれたね」
「なんとなく。このままじゃ傑が可哀想だし」
「悪口じゃん」

雪は五条から身を離して苦笑いする
「まぁこの際なんでもいいや」
「つーかなんでデートすんの?」

当たり前の質問に雪はすごい言いづらそうに横をむく
スマホを取り出して操作をし、とある写真を五条に見せた
その写真にはたくさんの手紙が写っている
最初は訳が分からなくて首を傾げていた五条だったが、その手紙をよく見て顔を顰めた
そして気持ち悪いとでも言いたそうに舌を出した

「うげぇ。なるほど。もしかして1か月前の落とした手紙ってこれ?」
「よく覚えてるね。そうだよ。ちょっとストーカーがねぇ…見たところ一般人ぽくて、暴力とかじゃ解決出来ないじゃん?」

その手紙の内容が重い愛をつづるものばかりだった
愛してるとばかり書いてあり、全部の手紙の最後に男の名前がある。全て同じ名前だ

「この高専に届いてんの?」
「だったら夜蛾先生が処分してるよ。直接貰ってる。受け取らなかったら癇癪おこしちゃってさ。あんまり目立ちたくないじゃん?」
「直接!?」
どうやら任務やプライベートで出かけるたびに着いてきては渡してくるようだ

「警察は?」
「関わりたくないから最終手段。1部には顔知られてるから」
「…」

言い方にかなりひっかかりがあったがこれ以上踏み込まないでくれという顔をしている雪に五条は何も言わなかった

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