第2章 【燭さに/現パロ】溺愛ダーリン
「みーちゃん?」
『………』
「ねぇ、拗ねてる?ごめんね……?」
『っ、知らない……』
あからさまに不機嫌MAXな声音で
素っ気ない返事を返してしまうが、
そんな拗ねる様子まで愛おしいのか、
頬に掛かる髪の毛をそっと払い退け、
二人きりの時にしか言わない
とっておきの台詞を耳元に囁かれる。
「珠桜、愛してるよ」
『んっ……!』
やっぱり、この人は意地悪だ。
私は耳が特に性感帯で弱点なのを知ってて、
こんな卑怯な攻め方をして来る。
つい、うっかり声が出てしまった……
「僕が愛している女の子は、今も昔も
この世界でただ一人、奥さんの君だけだし、
ヤキモチなんて妬かなくても、あの頃から
ずっと、僕は君だけのものだよ?」
そう耳元に囁く声は、蕩けそうな程に
甘く、心地良い魅惑の低音で……
そのまま耳の裏にチュッと音を立てて
キスをされ、また変な声が出そうになるの
必死に堪える為、ぎゅっとシーツを掴む。
「可愛いなぁ、感じちゃったんだ?
ねぇ、お願い。少しでいいから、僕を見て?」
『っ……やだ……』
「どうして?」
『知らないっ』
あー、もう、自分に酷い嫌悪感。
私って本当、こういう時いつも
子供っぽくなってしまうんだ。
それで毎回、心底自分が嫌になる。
見慣れた光景なのに、いちいち嫉妬して、
こうしてすぐに拗ねてしまう。
嗚呼、泣きたい……ってか、既に若干涙目……
「珠桜……」
『っ、ん……っ』
不意に真剣な声で名前を呼ばれ、
条件反射で少しだけ振り向いた瞬間、
くちゅり、と唇を奪われる。
そのまま、光忠の熱い舌が差し込まれ、
引っ込めようとした私の舌を
逃がさないと言わんばかりに絡め取り、
熱を孕む妖艶な吐息を零しながら、
巧みな舌使いで口内を深く、丁寧に
犯し尽くしていく。
『っん……は、ぁ……ふ、ぅ』
(ああ、ダメ……こんなの、無理……
すごい気持ちいい……気持ちいいの……
もう、本当……キス、上手すぎるよぉ……)
「……ん……僕の想い、伝わった?」
その問いかけに言葉の返事を返す代わり、
すっかり蕩けて恍惚に微睡む表情と、
快楽によって潤んだ眼差しを見せる。
それを見て、光忠はまた「可愛い」と
笑みを零し、額に口付け、強く抱き締めた。
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