第4章 呪いと想い
紡side
「僕は……見えちゃいけないものが見えるんだ。」
驚く琉己くんの反応を気にせず僕は話を続けた。
幽霊が見えること。
黒い靄が見えること。
「1度だけ話せた霊はいたんだけど、それ以降は一度も会ってないんだ。」
「そう……なのか……それでその……俺に憑いてる黒い靄っていうのはなんや?」
「わからない……でも……」
その黒い靄に殺されかけたこと、近づくなと言われたことを話した。
出てくるタイミングも不明。
姿形もわからない。
夢の中でだけ声が聞けた。
「……怖い思いをさせたな……ごめん。」
「琉己くんが謝ることじゃないよ。それに今は居ないみたい。」
「そうか。」
「何か思い当たることはない?」
少し考えたような素振りを見せたが首を横に振り、「ない」と答えた。
「俺から告白しといてこんなことを言うのもなんやけど、付き合うのはやめといたがよさそうやな。お前に危害が加わるような事は嫌やし。」
「うん。ごめんね。それに、こんな気持ち悪い僕の体質聞かせられて驚いたよね。」
そう言うと琉己くんは僕の頭を撫で、
「気持ち悪くなんかない。ただ他の人よりも見えすぎるだけや。俺らが見えてないだけで。それも個性やろ。」
「……ありがとう//」
嬉しい。
そんな風に言って貰えるなんて。
やっぱり大好きだ。
「黒い靄が解決するまでは俺らの関係は今まで通りってことで。お祓いとかでもいいんか?」
「どうなんだろ。ずっと憑いてるって訳じゃないから。」
「そうやな。もし見えた時は言ってくれ。その時にまた考える。」