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【R18】消えた君

第4章 呪いと想い


紡side

「僕は……見えちゃいけないものが見えるんだ。」

驚く琉己くんの反応を気にせず僕は話を続けた。
幽霊が見えること。
黒い靄が見えること。

「1度だけ話せた霊はいたんだけど、それ以降は一度も会ってないんだ。」

「そう……なのか……それでその……俺に憑いてる黒い靄っていうのはなんや?」

「わからない……でも……」

その黒い靄に殺されかけたこと、近づくなと言われたことを話した。
出てくるタイミングも不明。
姿形もわからない。
夢の中でだけ声が聞けた。

「……怖い思いをさせたな……ごめん。」

「琉己くんが謝ることじゃないよ。それに今は居ないみたい。」

「そうか。」

「何か思い当たることはない?」

少し考えたような素振りを見せたが首を横に振り、「ない」と答えた。

「俺から告白しといてこんなことを言うのもなんやけど、付き合うのはやめといたがよさそうやな。お前に危害が加わるような事は嫌やし。」

「うん。ごめんね。それに、こんな気持ち悪い僕の体質聞かせられて驚いたよね。」

そう言うと琉己くんは僕の頭を撫で、

「気持ち悪くなんかない。ただ他の人よりも見えすぎるだけや。俺らが見えてないだけで。それも個性やろ。」

「……ありがとう//」

嬉しい。
そんな風に言って貰えるなんて。
やっぱり大好きだ。

「黒い靄が解決するまでは俺らの関係は今まで通りってことで。お祓いとかでもいいんか?」

「どうなんだろ。ずっと憑いてるって訳じゃないから。」

「そうやな。もし見えた時は言ってくれ。その時にまた考える。」
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