第3章 邪魔者
紡side
ミキちゃんの1件からはまた幽霊達の声は聞くことが出来なくなった。
何故あの時は声が聞けたのか未だに謎のまま、2ヶ月が経った。
僕は琉己くんへの想いを秘めたままだ。
「おはよ。」
「お、おはよ……//」
最近は声をかけられるだけで心拍数が上がる。
「おっはよー!紡!」
「おはよ!稑くん!」
稑くんは今日も可愛い。
「嫌になるよなー。ずっと雨やし。」
稑くんが濡れた髪をタオルで拭きながらため息をついている。
梅雨に入った為か天候はずっと悪い。
僕はタイミングが良かったのかあまり濡れなかった。
僕が学校に着いた頃に大雨に変わった。
「僕はタイミングが良かったみたいでそんなに濡れなかったよ。朝から大変だったね。」
「いいなー。もう帰りたい。」
「今日終わったら明日休みだから頑張ろ?ね?」
「うーん。」
琉己くんも濡れたのか髪の毛がびしょ濡れだ。
タオル忘れたのかな。
僕は持っていたタオルを渡そうと鞄を漁り、取り出す。
「あ、あの琉己くん、これよかったら……「あー!また忘れたんやろ!もう!」」
僕の言葉を遮って稑くんが琉己くんの髪を自分が使っていたタオルを使って両手で拭きあげた。
「ん……ありがと。」
そんな2人の光景を見て呆然としてしまう。
この2人の邪魔をしてはいけない。
そんな気がしてそっとタオルを鞄の中に戻した。
正直お似合いだと思う。