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【R18】消えた君

第2章 初恋


紡side

「おはよー!紡ー!」

「おはよ、稑くん!」

この村に来てもうすぐ半月が経つ。
授業も全て通常授業になって部活も始まった。
今は家の近くの居酒屋でアルバイトをしている。
稑くんは毎朝元気に挨拶をしてくれる。
稑くんは明るくて他クラスからも人気がある。
どうやら中学時代からのようだ。
確かに稑くんは愛嬌があって話しやすい。
それに男の僕でも可愛いと思ってしまう。
話し方や仕草が周りの人に惹かれるのだろう。

「おはよ。」

稑くんの後ろから琉己くんも挨拶をしてくれる。

「おはよ、琉己くん。」

あれから黒い靄は見かけていない。
もう違う場所へ移ったのだろうか。

「俺の顔に何かついてるのか?」

「え……ううん!何も!」

顔を見すぎた。
いつも黒い靄が気になって顔をしっかり見てこなかった。
琉己くんってよく見るとかっこよかったんだな。

「なぁ、紡って明日バイト?」

「明日は夕方からバイトだけど……どうして?」

「お!ならさ!明日朝から3人で町の方に行かん?!」

「え!行きたい!」

ちょうど買い物もしたかったんだ。
この村じゃ買いたくても買えないものがあるし。

「なら決まり!明日9時に駅で集合な!」

「わかった!」

この村に来て初めてのお出かけか。
しかも友達と。
楽しみ。
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