第2章 性癖ヤバめな変態に狙われました
「…………っ、エロっ」
濡れた唇を、腕で拭って。
桜咲が顔を上げる。
ペロリと、下唇を舐める動作がすごく官能的で。
どーしよう。
お腹が、疼く。
「…………欲しい?」
知らずに目で追った、のは。
桜咲の、はち切れそうなズボンの、中。
「…………っ」
「ここじゃ狭いから…………っと」
「きゃぁ!!ちょっと!!おろしてよ!」
裸のまま、抱き上げられて。
羞恥に身体を隠そうとすれば。
おっきめのバスタオルが、身体にかけられた。
「…………」
「これなら、いい?」
「…………嫌。重い」
「重い?意味知ってる?それともいいわけ?」
「…………っ」
強引な、くせに。
不意に優しいの、反応困る。
「楪さぁ、そんなだから俺みたいなのにつけ入れられんだよ」
甘んじて大人しくお姫様抱っこされていれば。
連れてこられたのは寝室で。
優しく降ろされたのは、おっきなベッドの上。
「今ちょっと優しくされて絆されたでしょ」
ギク。
「…………だから、チョロいんだって」
がしゃん、て。
両手首に何がが、嵌められて。
状況が理解できずに顔を上げれば。
にこりと笑って。
桜咲が手首に巻かれた鎖の遊びを、ベッド柵へと引っ掛けた。
「え」
「重いって、こーゆーの言うの。本物の鎖だから、両手重いでしょ。」
「え、何これ。なんで…………」
「言ったよね俺。一晩中可愛がるって。これなら身動き出来ないから、俺に何されても逃げらんないね」
にこり、と微笑む悪魔の頭にツノが見える。
こんなに。
人の笑顔が怖いと思ったのは初めてだ。