第1章 悪夢の始まり
のも束の間。
ぐん、て引き寄せられたのは桜咲の足の上。
下にあたるものに少なからず不安を覚えた、その瞬間。
「…………ッ!?」
『羽衣?どしたー?』
「…………っんでも、なぃ…っ」
電話中の無防備な身体を、目の前の鬼畜悪魔が躊躇なく貫いた。
下からの激しすぎる突き上げに思い切り睨んでみても、にこりとムカつく笑顔晒すだけで。
腰を浮かせて逃げようとすれば。
腰ごと捕まって、思い切り突き上げが激しくなってく。
『大丈夫?羽衣?』
無理。
声、出る…………っ。
「…………っめ、まり、か後で、かけなお…………」
やっとの思いで振り絞った言葉たち。
通話を切りたいから、なんとか振り絞ったのに。
やっと言い終わる、その瞬間に。
悪魔はス、とスマホをあたしから取り上げると。
しー、って。
人差し指を口元に持っていった。
「!!」
ついでに。
ぐ、と身体ごと押されて、再び、桜咲を見上げる形へと体勢が、変えられて。
奥深く沈んでいたそれは、また、違う場所を遠慮なく刺激する。
出そうになる声を耐えようと両手で口を塞げば。
満足気ににこりと、微笑んだ。
『羽衣ー?聞こえるー?』
声を我慢するのに夢中になってるその隙に、いつのまにか枕元に置かれていたスマホにビク、と身体に力が入れば。
知らずに桜咲を締め付ける形となり、声がまた、出そうになる。
しかもご丁寧にスピーカー。
こいつ絶対楽しんでる。
「もしもし、桜咲だけど」
「っ!?」
『あ、仲直りしたのー?羽衣大丈夫です?なんか具合悪かったりしてます?』
「…………ああうん。なんか、気持ち悪いって」
『ええ!?大丈夫?今どこですか?』
「…………んぅ………ッ」