第1章 悪夢の始まり
「…………だから!!なんで毎回毎回手、縛るの!!馬鹿!変態!!離せ!!」
なんかの、布?
あ、旗?
暗くて良く、見えない。
さっき物色してたのは間違いなく絶対これだ。
「視覚的に興奮するじゃん?」
しねーわ!!
馬鹿!!
「ってかきつい、ってば!!痛い!」
頭の上でキツキツに縛られた両手をバタバタと引っ張ってみるけど。
余計皮膚に食い込むだけだ。
「楪さぁ、この前で懲りたはずじゃないの?俺に自分から近づいてきてさぁ、こーなるって、微塵も思わなかった?」
「っ」
服の中、桜咲の手が背中側からホックを、外してく。
「それともこうゆーの、されたかった?」
桜咲の口が、開いて。
わざと。
見せつけるように。
パクリと、服の上から胸へと噛み付いた。
「や…………っ、あ」
ビクン、て。
身体が勝手に熱を持つ。
服の上から舌先でグリグリと先端を、押しつぶし。
指の腹ですりすりと服の上から擦り付ける。
服が、余計擦れて。
もどかしい。
頭上に縛られたままの両手を引っ張って、顔を隠した。
「やっぱされたかったでしょ。もうこんなだよ?もっと触って、って、顔だしてる。ねぇ、服の上からじゃ物足りないんじゃない?」
「うる、さ…………っ、黙れ変態。早く、終わらせ………っ、れば。この後用事、あんの!!」
「ああ、飲み会?え、行くの?」
「はぁ?あんたさっき行っていい………っ、や、なに」
いい終わる前に。
桜咲の指先が下着の中へと滑り込む。
「…………いいよ。楪がそんなに行きたいなら、止めない」
「…………っ、ん!!や、っぁ、指、はや………っ!!」
なかを擦る指先が一気に2本、ものすごい速さでなかを刺激して。
唇と、舌が胸を責め立てる。
「行きたいなら、ね?」
「や、っめ!!やだ、指、つよ………っ!!」
「足閉じない。縛るよ?」
「っ」
最悪。
最悪。
なんで、こんなやつに…………っ。
毎回毎回いいようにされてんだあたし。
数分前のあたしに蹴りでもいれてやりたい。
こんなやつ、心配するだけ無駄だって。