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変態王子の恋愛管理

第1章 悪夢の始まり


「…………盗み聞きとか。これ以上犯罪犯す前にどっか消えて」
「え、心外なんだけど」
「何ちゃっかり隣座ってんのよ!!消えてよ今すぐ!!」
「なんで?無理」
「…………子供か」



「…………って、ゆーかぁ?羽衣、いつのまに王子とそんな仲良くなったの?わたしも初耳なんだけど」



テーブルに両肘つきながら。
茉莉花の視線があたしと桜咲を直視する。


「仲良くないし。知り合ってもないからこんな犯罪者」
「犯罪?」
「楪」


「…………」



だからぁ。
声!!
怖いんだってば。
笑顔で威嚇すんのやめてもらえます?


「…………なんでもない」


「ところで王子?わざわざこんなところまで羽衣に会いにきたの?棟違うのに?」
「あっちのカフェ今改装中なんだよね。たまたま来たら楪いたからさ。…………あ、そうだ楪、ちょっと頼みたいことあったんだー。楪借りていい?」

「…………」


めちゃくちゃ白々しいな。
関心するくらいに。


「あ、どーぞぜひ」


「だって楪。立てる?手貸そうか」
「誰が借りるか変態」
「えー、今朝は自分からしがみついて来たのに?」
「今朝?」
「!!」
この、馬鹿。
白々しいよ、ほんと関心するくらい。
絶対わざとだ。
ニコニコニコニコしやがってこいつは。

「…………何よ、頼みたいことって」
「え、ここで言っていいの?」
「どうぞ」

人気のないところ連れてかれるほうが危険でしかない。
だいたい。
あんな歪んだ性癖持ってるやつなんてお知り合いになることすら無理。
とっとと退散してもらわなきゃ。


「あたし、邪魔だったらあっち言ってるけど…………」
「むしろ邪魔なのは茉莉花じゃなくてそっちの王子さまだから」
「王子に向かってそんなことゆーの、羽衣くらいだよ」


それはみんな見た目に騙されてるだけだから。
こいつめちゃくちゃ変態なんだよ!!
と大声で怒鳴ったところで。
白い目で見られるのはむしろあたしの方。
それがわかってるから。
こいつはこんなに余裕でいられるんだ。
あたしが何言ったってきっと誰も信じない。
だいたい証拠だってない。
詳しいけどこうやって世の中の女の子は泣き寝入りするのか。

…………許せない。

まじで。
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