第16章 貴族
ただ、立ち直ったあの令嬢はというと、婚約者と少なくない逢瀬で的を当ててしまったらしく見事に予定より早い御成婚となったそうだ。
領地へと行くそうで、王都から離脱してくれて一安心だ。
だが、最後まで悪足掻きをしたのは王太子の従兄弟だった。何年も思い続けて来たからだろう。国王様に宛がわれたお相手は、侯爵家の一回り年上の男性らしく婿入りが決まったそうだ。
その令嬢が、泣きながら一夜だけでもとリューさんを訪ねて来た時は少しだけ同情はした。だからと言って、許容は出来ないのだけど。
リューさんも王太子も国王様でさえ、迅速に行動を起こしてはあんなに高飛車だった令嬢はその望んだ一夜が婚約者となった侯爵家の男性と行われたことで鎮静化した。
貴族って怖い。そして、容赦ない。
そして、貴族の令嬢たちだけでなく、貴族と呼ばれる人たちがリューさんを引き入れようとするのは少なくない。
たまに、魅惑的な未亡人からもリューさんは誘惑されるし、気が気でならない。あんな美魔女から望まれるのに、リューさんは感心の欠片も示さない。
お胸だって、たわわに実っているのに。
そう・・・つい、大切な場所を見てしまって安心する。だって、大人しくしていたから?
「見たい?」
突然、耳元で囁かれ見ていたことに気付かれたことで恥ずかしくなる。つい、ついなの。
「エイリンの肢体を想像するだけで、反応するけど?」
「えっ?」
「今晩は、甘いエイリンの肢体を余すことなく味合わなくてはな。楽しみだ。」
そして、美魔女の存在は放置だ、放置。
リューさんは私の手を掴んでは、リューさんのお胸やお腹を触らせる。引き締まったボディーをつい堪能してしまう。
うん、リューさんは野放しにしていたら危ないかもしれない。誰かに浚われてしまうかもしれない。
私からも望んで夜の生活を頑張った結果・・・増々、メロメロになったリューさんは私への愛情表現が激しくなったのは言うまでもない。