第11章 ギャップ萌え
数ヶ月後、何故かローウェンから連絡が来た。
「リュー!!あの下半身男が見つかったらしいぞ。」
「やはり、生きていましたか。それで?」
「ヴィーナス国で救助された様で、何故か娼館で働いているそうだ。」
アンドリューが目を丸くして驚いていた。珍しい表情だ。しかし、私も驚いている。
「売られた・・・のですか?」
「その上、記憶が無いらしい。更に付け加えると、娼館で一番の稼ぎ頭だそうだ。」
「・・・それはそれは。」
熱心なファンもいる様だし、その中には男もいるらしい。見目だけは良かったからな。
「マーキュリー国には?」
「知らせたそうだが、音沙汰なしだそうだ。見捨てられたか、あの下半身男。」
「後片付けが大変な様でしたからね。最後の落とし種の結果まで合わせると、30人は越えるそうですし。」
子供がそんなに?私は慎ましく愛おしい婚約者と愛を育んで行こう。王族だから後継者を儲けなくてはならないが、30人もは不要だ。
「あ、そうでした。現王妃様がご懐妊だそうですよ。生まれるのが男児なら、次は放任主義は止めるのでは?」
「そ、そうか。王妃が・・・。」
だから、後を追わずに放置したのか。隣国だが、仲良くはしたくないな。今まで通りに付かず離れずの関係でいい。
「それで、エイリンとはどうだ?」
「・・・私は、何人でも構いません。」
「ん?何がだ?」
「子です。」
飲んでいた紅茶を吹き出した。
「えっ、も、もうそんな展開にまで?というか、付き合っているのか?」
「えぇ、お蔭様で。」
「切っ掛けは?」
「私がミスをしまして・・・それで凹んでいると、エイリンがそんな私に優しく・・・。」
これはアレか?ギャップ萌えと言うヤツか?普段は何でも卒なく出来るから?
「・・・愛おしいですね。私にもこんな深い愛情を抱ける日が来るとは想像もしておりませんでした。」
「まさか・・・そういう関係に?」
「私は平民出ですから、何のしがらみもありませんからね。」
その顔は、思い出したからか?もう、閨を共にまでしているなんて。何って羨ましい!!
「ノーチェ様も、来年には婚儀が執り行われるではないですか。もう少しの辛抱です。」
辛抱って言った・・・。最近になって、やっと口付けまでは許して貰える様になったと言うのに。