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清算は断罪と共に

第4章 生まれた病と闇


ジュピターから出立して二日目の夜に、休憩場所に到着した。見知った顔がいたので声を掛けると、初めて怪訝な表情を見せられた。

安全な場所で休むには、騎士団の傍で馬車を止めるのが一番いい。それは父親から聞いていて知っていたので頼んでみれば、愛想はなかったが好きにしていいと言われた。

ただ、自己防衛も怠らない様にとも言われたが。いつもならエイリンの魔物除けのお香を焚いているから問題ないが、それが人間相手だと意味を為さない。

ここはそれなりに安全だが、それでもそれなりだと言うことは知っている。本当は、エイリンの事を聞きたかったのだが、直ぐに何処かに行ってしまった騎士。

まぁ、到着したばかりだから後で尋ねてみよう。そう思っていたら、他の旅人から噂話が耳に入って来た。

結果的に言えば、エイリンはジュピターで聞いた通りに商人たちとここへ来たと言うことだ。あの時はエイリンに近付こうとして、騎士に割って入られて何も出来なかったらしい。

そんな事を何なく口にする旅人に驚いたが、後で俺から婚約者を助けてくれた事に礼を言っておこう。さっきの愛想がないことも、不問にしていい。

ん?何やら、騒がしい?まさかっ!!


馬車へと戻れば、あの女性が騎士を捕まえては何やら言っている。まだ騎士見習いな様で、ただオロオロしているだけだ。

「どうかしたの?」
「やっと、戻って来たのね。この騎士見習いに、セドリックを探して来る様に言いつけていたのよ。」
「言いつけって、ここの騎士はそんな事の為にいる訳じゃないよ。それより、何かあった?」

騎士見習いを手で追い払えば、ムッとした顔をしたが直ぐに立ち去った。

「こんな場所ではゆっくり休めないわ。我慢してあげるから、ゆっくり出来る町へ直ぐに行くわよ。」
「無理だよ。馬だって休ませないと。」

そう言えば、渋々だけどそれ以上は何も言わなかった。それにいても、ここに到着するまでかなり飛ばして馬車を走らせた。

確かに、僕が手助けしてあげようと声を掛けたけど、助けて貰う立場なのにいつも不機嫌そうでやって貰うのが当たり前だと思っている様に見える。

それでも、エイリンを連れ戻せば全て元通りだ。世話はエイリンがすればいいし、俺はたまに機嫌を伺うくらいでいいだろう。
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