第2章 美しい神様と近づく心
「何故私がこいつと」
横でイライラとしているザマスに微笑む。
「まあいいじゃないですか、こういうのも楽しんだ勝ちですよ」
「ふざけるな!」
「何故貴様と同じ仕事をしなければならないのだ。こんなの私1人で十分だ!」
まあ確かに……
「まあまあいいじゃないですか。私は嬉しいですよ」
「気色悪い、やめろ!」
ザマスは花瓶を乗せた台車を押しており、その横でザマスを揶揄って歩く天月がいた。
「もういい、どこか行け!私の目の届かないところへ」
掴みかかろうと手を伸ばそうと体を動かした途端、足がもつれたのか天月を巻き込んで2人は倒れ込む。
「えっちょっ!」
ドテッと2人で倒れ込み、大丈夫かとザマスを見れば、ウチの上にのしかかったままザマスは固まっており、その顔はどこか赤い。
うわー、めちゃくちゃ怒ってますやん。でも……もう少しからかっちゃおー。面白そうだし。
まるで悪役のように心の中で笑って、肩に手をのせた。
「大丈夫ですか?」
「………」
「あのー」
さつがに心配になり、彼の背に手をやり顔を近づける。
「紙様、大丈夫ですか?」
「なっななな、ち近い!!」
急に押されて後ろに倒れ込む直前、体が引っ張られて彼の逞しい腕に抱き止められ、思わず困惑する。
「……紙様?」
なになにこの手は!全くおいしくないんだけど、むしろ気持ちが悪いんだけど?
命の危機を感じていると、我に帰ったザマスが即座にはなれる。
「危ないだろう。気をつけろ」
いやそれはこっちのセリフ。
「……はい」
多少困惑しながら歩いていると、ゴワス様に呼び止められた。
「ザマス、天月さん、少しいいかな?」
「……はい」
「はい」
同時に返事を返すと、ザマスが嫌そうに顔が歪む。
「ザマスも人間に慣れたところだし、もう2人人間を招いたんだ」
「なっ何故ですかゴワス様!この神聖なる神の聖地である界王神界に、醜い人間など……!!?」
「ザマスよ、いろいろな人間を見るのだ。そして考えなさい」
「人間ならば、この者で十分です!!」
「ザマス!!」
「………っわかりました」
う……わあ可哀想ー。ゴリ押ししたよゴワス様。