第2章 美しい神様と近づく心
「天月さんどうかしましたか?」
今日もきづかわしく声をかけてくれるゴワス様に感動しながら、思いを打ち明ける。
「実はザマス様がなかなか笑ってくれなくて、できればもっと仲良くなりたいんですけど」
「……なるほど」
「神チューブ見ないと言っていたもので……はあ。何かザマス様の趣味とかないですかね?」
「うむ。ならこれはどうか」
ゴワス様の提案に思わず笑みをこぼして頷いた。
「わかりました。ではその時間に行ってみます」
翌日ゴワス様が教えてくれた時間にザマスを見に行くと、穏やかな表情で花に水をあげている紙様を見つけた。
「……」
朝日に包まれて優しげに微笑むザマスにふと笑みを溢す。
その優しげに花々を見つめる姿は、まさしく神であり美しいと心が震える。
まあこれで人間嫌いでなければいいのにと呆れる。ふとザマスの動きが止まり、ばっとこっちを見つめる顔は驚愕に染まっていて面白いまであるが。
「おはようございます紙様」
「盗み見か、無礼だぞ」
「それは失礼しました」
朗らかに答えると、また嫌そうに顔を顰めるザマスに微笑む。
「何がおかしい!」
「いえいえ、今日も嫌そうにしているなとおもいまして。わかりやすい方は好きですよ」
好きだと伝えた途端、殺意のこもった視線が突き刺さる。
「人間の分際で神を好きなどと気色の悪い。今すぐやめろ!」
怒りに震える声に面白くなり、ザマスの腕に触れると彼は反射的にウチの手を振り払った。
パシンッと音がして叩かれた手を見ると思わず呆然と叩かれた手を見つめる。
「………」
「……おい!」
「え、はい」
「……そんなに痛かったか」
「え……いえ、大丈夫です。失礼します」