第3章 壊れた幸せ
それからザマスはずっと様子がおかしかった。言葉が少なくなったというか、ピリピリした空気を纏っているような。
何があったのか問い詰めたいところだが、原因をなんとなく知っているので、励ますことも聞いてみることすらできなかった。
「天月さん、少し話をいいかな?」
「……はい」
「実は、日夏さんと友香さんを他の宇宙の見学にでも思うんだが、どうかな?もちろん2人は喜んでいたのだが……」
実は互いにここに来た経緯を知らない。なので止める理由はないだろう。
偽物悟空が来ない今危険がないが、2人の目的がここにないのならば、早めに彼女たちの目的を果たして欲しい。まだ危険は他にもありうるのだから……
「すごくいいと思います」
「そうか、それでは進めよう。それとなあ天月さん、ザマスのことなのだが……もしも私に何かあったら、ザマスをよろしく頼む」
「え、何を!むしろ何かあるのはザマスの方なんだけど」
「何か言ったかな?」
「大丈夫です。だって…………だって、なんだかそんな気がするんです。だから例え話だったとしても、そんな悲しいこと言わないでください。それにそんなこと言ったらザマス様が泣きます」
「そうか。そうだな。それとな……天月さん……」
「おい、天月早く寝るぞ。まったく何をやって」
ウチを見つけ文句を言いながら向こう側からザマスがやってくるが、ゴワスがいることに気づいた瞬間ザマスは口を噤む。
「すまないなザマス。それではお休み」
だがこれがゴワス様と話す最後の日になるとは、夢にも思わなかった。