第2章 美しい神様と近づく心
「………紙様?」
「うん、アニメ見てる時はザマスって呼び捨てにしてるのに、ずっと丁寧に呼んでるなあって」
3人で神文字を解読しようとしている最中、友香が問いかけてくる。
「右に同じく」
「日夏、よくそんな言葉知ってるね」
「そんなことよりも、どうして丁寧なの?天月ちゃんらしくない」
「うんうん、いつもなら、ズバッと鋭く時に失礼に言うのに……」
どうして?と2人は首を傾げる。
「ねえ、ウチのこと………貶してない?てかそこまで言ってないと思うよ?」
「そんなことないよねー……日夏ちゃん」
「うん。そうだよ天月ちゃん。ねー友香ちゃん」
「ねえ今のは、どっちのそんなことはないよなの?」
「……………」
「……………」
「まあいいけど………ウチが丁寧な理由は……って近いんだけど」
2人が上半身を乗り出して顔を近づけてきて、かなり鬱陶しい。
「だから……その…………」
「だからその?!」
2人のアツがやべえ。
「やっぱり神様だし、ほら神様は偉いって言うし。それによく言うじゃん、偉い人には従え?違うか、七転び八起き?これも違うか、怪我の功名?」
「それを言うなら一攫千金でしょ!」
「日夏ちゃん、多分それも違うからね!」
華麗な友香のツッコミが入る。
「…………それにね、ザマス様は人間が嫌いだからさ、ストレスをできるだけ抱えてほしくないんだ。穏やかなこの暮らしのザマス様をずっと見ていたいって思ったんだ」
「天月ちゃん」
「愛……だね」
「じゃないと、人間ゼロ計画失効だしね。ウチは死にたくないからね」
さっきまでの感動はどこへやら2人は、やれやれと首を振った。
「うん、平和大事」
「平和はなによりの宝なのです」
3人は笑い合う。