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ドラゴンボール孤独な空の下で

第2章 美しい神様と近づく心


眠い目を擦りながら、ザマスのいる花畑に来た。案の定ザマスは朝早く花に水をやり、穏やかな空気を纏わせていた。そんな紙様の姿を楽しみになってしまったウチは、わざわざ早起きをしてザマスの花の水やりを観察しているのだ。最初こそぐちぐちと文句を言っていたザマスも最終的には何も言わなくなった。きっと呆れてしまったのだろう。

「おい」
「ん?」
「ぼーっとしてないで、お前も水やりをしろ」
「え」
「いいから早く来い!」

渋々紙様の横に立ち、渡されたジョウロで花の上から水をかける。

「おい、上すぎだ。もっと下からやれ」
「え、こう?」
「違う、こうだ」

ジョウロを持っている手を握られ密着する体に思わず強張り、小さな悲鳴を上げてしまい背後から訝しそうな気配を感じる。

「あの近いですよ、人間に近づいたら」
「お前ができないからだろう。まったくこんなこともできないのか、だから野蛮な人間はこれだから」
「もしかして長くなります?」

苦笑いながら聞くと、ムッとする紙様から逃れようとすると、空いてる左腕がガッチリとウチの身体を抱え込んだ。

「長くしてほしいようだなあ」
「すっすみません、勘弁してくださーい」

目をぐっと閉じて次の言葉を待っていると、肩に乗せられた顎が揺れていることに気づき見てみると、優しく細められた瞳とかち合う。
優しく微笑んでいる彼に何か言えば、きっとその表情は消えていつもの仏頂面に戻ってしまうだろう。もう少しだけその優し気な表情を見ていたい。

「………紙様………セクハラなのでやめてください」

瞬時にいつもの仏頂面に戻り安心した。



その頃書物室では、後ろから天月を抱きしめるザマスを目撃した日夏が、友香に伝えていたのだった。

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