第2章 美しい神様と近づく心
まるで店員を呼ぶようにザマスとゴワスを呼ぶ日夏に、あいかわらずだなとニッコリ微笑むのだった。
「大丈夫ですかな?」
「はい。ありがとうございました」
ゴワスは2人を案内するために離れていく。取り残されたザマスと気まずくなっていると、急に横から声をかけられる。
「おい、顔色が悪いぞ大丈夫なのか?」
少し心配を含ませた声に何も言えないでいると、身体が中に浮き驚愕に表情をこわばらせた途端抱き抱えられる。
「え?」
「調子が悪いなら言え!じゃなくとも人間は弱いのだから。ゴワス様に迷惑がかかるだろう」
スタスタと早歩きで部屋に入り、布団の上に寝かされる。
「いいか、大人しく寝ておけよ」
「え、いや、ちょっ……」
バタンと閉じられたドアに呆然となり、混乱しながら立ち上がる。
「えーーー、どうしよう?」
数分ドアに耳を当てて廊下の様子を伺い部屋を出る。そしてその足でゴワス様を探し声をかけると、彼は温和な表情で振り向く。
「あの、ゴワス様、相談がありまして……」
「おやおや、相談とは一体?」
「ザマス様のことでなんですけど」
ザマスが死ぬルートは二つ存在する。
一つ目は、ゴワスを殺し孫悟空の身体を乗っ取り時の指輪を使い未来へ行き、未来のザマスと結託して人間を殺すが、最終的に全王に消されるパターン。そしてもう一つがビルスに消されるパターン。
だが今この時点で、悟空が生存しているのかいないのか。
悟空の身体を乗っ取る世界なのか、ザマスがビルスに消される世界なのかは、今の時点では何もわからないのだ。
「あの、ザマス様をちゃんと見てあげてください。彼はゴワス様のこと本当に信頼しているので。だからちゃんとザマス様の心に寄り添ってあげてください」
ウチができることはこれぐらいしかない。こんな遠回しなアドバイスしか言うことができないのだ。
……………それがとても………悔しい。