第6章 二人、同じように
キスで多少の力は抜けるものの、指が増やされる度にまた力が入る。
「ぇ……ふ、あっ!? あぁっ……」
「ここ、だな……」
少し楽しそうな色がついた春千夜に、私は体に起きた異変に頭が混乱する。
春千夜を見ても、ニヤニヤするだけ。
探るように動いていた指が、突然速さを増して、また先程みたいな波がやってくる。
「あっ、あっ、あぁっ、ん、ゃ、ぁぁあぁっ!」
シーツを掴み、体をビクつかせながら背を反らす。
先程より強く痺れる頭が働かず、涙だけが流れて、体中が心臓になったみたいに、鼓動が早くなる。
荒い呼吸をする私の頭に唇が降ってきて、寄り添っていた春千夜の体が離れてしまう。
ふわふわとした感覚の中、春千夜がいなくなった不安が襲う。
伸ばした手が掴まれる。
「しっかり息吐け」
「ん……」
手の温もりだけで、私の不安を全て消し去ってしまう。
言われた通りにゆっくり深呼吸をする。
膝を立てた状態で脚を広げられ、膝立ちでその間に入る春千夜を、ぼんやりと見つめた。
少し頬が赤くなり、伏し目がちに息を吐く春千夜は、綺麗で色っぽい。
「ひっ、ぃああぁっ……」
「くっ、力入れんなっ……」
無理だ。中を割開かれ、引き裂かれるみたいな感覚に、自然と体は強ばってしまう。
逃げる腰を両手で掴まれて引き戻され、更に春千夜が腰を進める。
少しずつだけど、明らかに中へ入ってくる質量に、圧迫感と多少の痛みが襲う。
胸と挿入されている部分の突起を、両方同時に責め立てられ、甘い痺れが際立つ。
その隙に、春千夜の昂りが更に入って来る。
「っ、ぅああぁぁぁ……」
「ぅ、キツっ……」
高い声を上げる私の上で、少し苦しそうに顔を歪める春千夜に、辛いのは自分だけじゃないのだと知る。
「春っ……」
春千夜に手を差し出すと、気づいた彼がそれに指を絡める。
「平気、か?」
「だぃじょっ、ぶっ……」
荒い呼吸で、動きを止めている春千夜に笑ってみせる。
痛くないわけじゃないけど、それだけじゃないし、やめて欲しくはないから。
「ちょっと我慢な? 動くぞっ……」
「んっ、ひ、あぁあっ……」
ゆっくり労るみたいに動き始める。そのまま指を絡めて目はジッと私を見る。