第6章 二人、同じように
私の脚の間に再び沈んだ春千夜に、私は焦りでパニックになる。
春千夜の頭を押さえて、腰を引くけれどそれすらも手で固定されてしまう。
「やだっ、何っ、ひっ、ああぁぁぁっ!」
熱い舌の感触と吐息が、排泄する事にしか使われて来なかった場所を這い、そこの場所の上の辺りの突起を唇が吸い上げる。
ビリビリと体中を電気が走り、目の前がチカチカして悲鳴に近い声を上げながら体を仰け反らせる。
初めて味わう感覚に、ビクビクと体をしならせながら、喉をヒクつかせる。
「もうイったのか? 早ぇよ……ここ、そんなよかったか?」
「ダメっ、やだっ、汚いからっ! ね、もっ……やめ、んっ、あぁぁあっ……」
体勢的に上半身を軽く起こして、春千夜の頭を押さえて離すしか出来ないのに、上手く力が入らなくて、それすら出来ずにまた春千夜の舌の感触に、体を跳ねさせてしまう。
これが快楽なのだとしたら、この先に起こる事が物凄く恐ろしい。
気づけば、頭が真っ白で考える事すら出来なくなり、ただ泣いていた。
「お前、意外によく泣くよな……」
「ひっ、ぅ、だって……こんなっ……」
「あのな、こうしなきゃ、突っ込まれて辛いのお前だろうが」
突っ込むとか言わないで欲しい。もう少し言い方があっただろうに。
知識がない私でも、さすがにそれはどういう意味か分かる。
ただ、今している事が理解出来ないでいるだけだ。
「嫌なら慣れるまで待ってやる。ただ、マジでしんどいのは確実にお前だから、解すのはするからな。痛みが酷いって文句以外は聞かねぇから、黙って感じてろ……」
頭を撫でられ、額にキスが落ちる。
涙を拭われ、春千夜の顔が近くに来て見つめられる。
「これは、痛くねぇか?」
「っ、ん……だぃじょ、ぶっ……」
中に異物感はあるものの、痛みはない。これは多分春千夜の指が入っているのだろうか。
「指、増やすぞ」
「んっ……ふっ、ぁ……」
ゆるゆると動く指の感触が、少しずつ違和感から何か違うものに変わってくる。
体を密着させながら、見つめられて優しい声で問いかける春千夜の唇が、私の唇に届く。
「んっ……ンんっ、はっ、ぅんンっ……」
「はぁ……力入れんな……」
そう言われても、指の入る違和感は多少なりとも残るわけで。