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君中毒【東リべ夢】〘三途春千夜夢〙

第2章 可愛さ余り過ぎると、憎さなくなる?




見た目はなかなかイケメンだし、少しチャラそうな人だからモテるんだろう。

見た目で判断するのはあまり良くないけど、彼と恋愛出来るとは思えない。

彼からの言葉が、軽すぎる。

私へのただの興味、好奇心。それだけで、話した事すらない人間に告白出来るなんて。しかも、こんなに軽く。

余程自分に自信があるのか、はたまた無謀なのか。

多分両方だ。彼の顔を見れば分かる。これは、私が告白を受けると思っている顔だ。

何処からこの自信が来るのか。

「俺、優しいし、結構一途だし」

聞いてもいないのに、早口で自分のいい所を話し始める。

少し居心地が悪くなって来た頃、ふわっと鼻に嗅いだ事のある香りが届いた。

「ぐちゃぐちゃうっせぇー男だな。テメェがどうとか知らねぇよ、バーカ」

肩に腕が回され、ホールドされる。

「春千夜? 何で……」

「あ? お前教室いねぇし、クラスの奴に聞いたら、男に呼ばれてどっか行ったっつーからよ……」

だからって何故ここに来たのかを聞きたいんだけど。

「げっ……三途、春千夜っ……」

「ああっ!? テメェみてぇなモブが、気安く俺の名前呼んでんじゃねぇよ、死体(スクラップ)にすんぞっ!」

私は蚊帳の外で、春千夜が興奮している。とりあえずこのまま放置も困るので、春千夜を見る。

「春千夜、ちょっと落ち着いて」

「んだよっ。お前、アイツが好きなのかよ」

「いやいや、何でそうなるのよ。初めて会って、今話したばっかりなのに」

私を見下ろし「ふーん」と言った後、勝ち誇ったような顔で笑い、また男子生徒の方を向く。

嫌な予感しかしない。

「生憎だが、こいつは俺の女だ。お前にはやんねぇよ」

「ちょっ、春千夜、何っ……んっ!?」

腕が肩から体に巻きついたまま、顎を持ち上げられて上を向かされた瞬間、春千夜の顔が近づいたのを最後に、唇が塞がれる。

何処からともなく、女子生徒の小さな悲鳴や黄色い声、男子生徒の湧く声がチラホラと聞こえ、見物人がいた事を知って、体の底から羞恥心と怒りのようなものが沸き上がる。

春千夜の胸を叩いてるけど、その手を取られて意味がなくなって、キスはますます深くなる。

舌が入ってくる感触に、驚きで体が跳ねる。

「はるっ、ゃっ、んぅっ……」

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