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萌えシチュに今日もトロける【R18】

第4章 孤児×王子







「……。シェリー」



ん…誰…?


「シェリー。貴女の力は誰にも知られてはいけませんよ」


女の人の声がする。
だが、シェリーはぼんやりとした意識の中、目を開けられずにいた。


「いいですね? 約束ですよ」


念押しするような声音。

私の力?

一体なんの事かわからないまま、頭が真っ白になってゆく――




***



「シェリー!」


呼ばれて慌てて振り向くと、腰に手を当ててこちらを見ている少女がいた。

彼女は…


「ミーナ。どうしたの?」


そうだ。彼女はミーナ。
この孤児院のお姉さん的存在の少女だ。


「どうしたのじゃないわよ、掃除は終わっ…てないようね?」
「…あっ」


箒を手にしたまま突っ立っていたシェリー。
女の人に呼ばれ、何かを念押しされていたような気がするが、夢だったのだろうか。


「ごめん、すぐ終わらせるね」
「もう、しっかりしてちょうだい」


ミーナはぷくっと頬を膨らませる。


「最近、王都で流行っている病のせいで貴族からの支援が滞っているのよ? 孤児院の畑を広げるには働き手が必要なんだから、ぼーっとしてないでよね」
「うん、まかせて」


シェリーは慌てて掃除を再開する。

そうだ、この後はミーナと畑を耕す約束をしていたのだ。
急がないと日が暮れてしまう。


ボロボロの服に、ボロボロの箒。

孤児院の娘、それがこのストーリーのシェリーだった。


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