第4章 孤児×王子
前回のストーリーを体験してから、三日が経過していた。
続きのストーリーが気になるものの、刺激が強すぎてシェリーは次のページを開く勇気が出ずにいたのだ。
それなのに、身体は正直で。
次のストーリーを求めるように疼いていた。
「今夜…続きを体験してみようからしら」
シェリーは熱のこもったため息を吐くと、藍色の魔法書をそっと撫でる。
そしてその夜―――
目次を確認すると『孤児×王子』という文字が。
「孤児と王子ねぇ…これはさすがに妄想ストーリーよね?」
夢見がちなシンデレラストーリーかもしれないが、現実にはなかなか起きないだろう。
だとしたらこれも気楽に体験できるかもしれない。
シェリーはワクワクうずうずしながらページをめくる。
そして光に包まれると、シェリーはあっという間に物語のヒロインになっていた―――