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萌えシチュに今日もトロける【R18】

第3章 伯爵家の令嬢×兄の友人




そしてそれから更に数日後――


未だに雪が振り続ける景色を眺め、シェリーはぼーっとしていた。
雪が降っているのに月が見える、そんな不思議な夜空だ。


「シェリー様。もうお休みの時間です。それに、窓のそばはお身体を冷やしてしまいますよ」
「うん。ありがとう」


侍女に促され、ベッドに潜り込む。


あとどれくらいで現実に戻れるのか。
いや、もうこっちが現実のような気がしてきている。


感覚がおかしくなりそうだ、と目を瞑る。

そしてそれから一時間程経過した頃、コンコンとノックの音でシェリーは目を覚ます。


まだ夜は深い。
誰が来たのだろうと体を起こした時、ドアが開く。

姿を現したのは兄、ロンバードだった。


「シェリー、もう寝てた?」
「平気です。お兄様…」
「ははっ。寝てたって顔してる。課題が終わったから、良かったら俺の部屋で話さない?って誘いにきたんだけど」
「ほ、本当ですか!」


眠気が一気に吹き飛ぶ。
伯爵令嬢であるこのシェリーは昔からブラコンだ。
この冬休みも兄の帰宅を楽しみにしていたのに、全然構って貰えなくて拗ねていたほどだ。


「俺の部屋に赤ワインを用意してある。ちょっとだけならいいだろ?」
「もう、お兄様ったら」


シェリーはクスクスと小さく笑い、兄の腕を取ると兄の部屋へと向かった。

今夜はロンバードを独り占めしてやる。

そう意気込んでロンバードの部屋へ行くと――


「レ、レオン様…!?」


そこには意外な人物、レオンがいた。
しかも既にワインを飲んでいるようだ。


「あ、ごめん。言ってなかったね。三人で飲もう」
「え、えぇ」


兄だからと薄着でいたが、本来人前に出る格好ではない。
この兄は鈍いのか…。

着替えを、と思ったがレオンは全く気にしている様子はなく、シェリーの方を見ようともしない。


……なんだ。
やっぱり気にしているのは私だけなのね。


シェリーはガッカリしつつ、促されたソファに腰を下ろしていた。

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