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萌えシチュに今日もトロける【R18】

第9章 私のストーリー【番外編】




火照る身体にガウンを羽織った二人。

もっと刺激が欲しいと疼く身体を叱咤して歩くシェリーを見て、シルフォードはとても嬉しそうだった。

部屋を出て廊下を進む。

そして、誰にも会うことのないまま連れてこられたのは3階の廊下の突き当たりだった。

そこには一際豪華な装飾をされた扉がある。


「お兄様…ここ、ですか?」


シェリーは首を傾げる。
この扉は、シェリーが幼い頃から近づくのを禁止されていた。
好奇心で夜中に忍び込もうとしたことがあるが、鍵が掛かっており、あっけなく断念したのを覚えている。


「ここはね、当主だけが引き継ぐ特別な場所なんだ」


そういって取り出した鍵束。
まだ正式に当主になった訳ではないが、シルフォードは父からいくつもの権限を与えられていた。


「当主とその妻しか入ることが許されないんだよ」


そう言ってシルフォードは鍵束から一番大きい鍵を選ぶと、鍵穴にさして解錠する。

まだ静かな朝にガチャンと重厚な音が響いた。

シェリーはドキドキしながら扉を開ける。

するとそこには一本の細い廊下が続いていた。


「こっちへ」


シルフォードに手を取られ、一歩踏み出す。

よく見ると左右に扉がいくつもあった。

そのうちのひとつの扉の前で止まると、シルフォードはにやりと笑う。


「朝食まであと二時間…ってところかな。少し足りない気もするけど、シェリーが満足してくれると嬉しい」


鍵束から小さな鍵を取り出し、またしても解錠する。


そして開かれた先に見えたのは、五角柱の…なんと鏡張りの部屋だったのだ。


「ここは…!」


背を押され、中へと踏み入れる。


五つの壁だけでない。天井と床も鏡で出来ていた。


「魔法石の力を借りて作られたミラールームだよ」


シルフォードに頬を撫でられ、シェリーは背筋をゾクッとさせた。


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