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萌えシチュに今日もトロける【R18】

第8章 私のストーリー




「……お兄様。本当に行くのですか?」


揺れる馬車の中、シェリーは隣に座るシルフォードを見上げた。

チケットが無駄になるから是非使ってとミレーナに押され、渋々行くことが決定してしまったのだ。

シルフォードとのデートは嬉しい。

だが、せっかくのデートがホラーハウスというのはどうなんだろうか?

怖いと震えて抱きつく、なんて事を考えもしたが、本当に怖かったら頭が真っ白になってしまうかもしれない。


既に怖がるシェリーを他所に、シルフォードはいつも通り優しい笑顔でシェリーを見下ろす。


「大丈夫だよ、シェリー。怖くて動けなくなったら、抱きかかえて出口まで運んであげるから」
「抱きかかえて……」


ぼっと顔が赤くなる。
それは悪い提案ではないかもしれないと心の悪魔が囁いていた。
昼間っから大好きなシルフォードに抱きしめて(?)もらえるのだ。
そう思ったらホラーハウスも良いかもと思えてくるから不思議だった。



馬車を降り中央広場へ行くと、とても大きなテントが設置されていた。
以前、移動式サーカス団が五千人もの観客が入るテントを設置していたが、それと同じくらい大きい。
シェリーの家の邸が軽く四つか五つは入りそうな広さだ。

それにミレーナの言う通り大人気で、多くの客がおり、中にはチケット買い取りますと書かれたプラカードを持っている人もいた。

本当にチケットが手に入りにくいらしい。


「入り口はふたつあるようだな。チケットの種類によって内容が変わるのか」


そう言われてチケットを確認する。

おどろおどろしいイラストが記載されたチケット。
その右下には『大切な人と過ごすホラーハウス。二人の仲もより接近』と書かれていた。

二人の仲もより接近…!

きゃー!と内心真っ赤になるシェリー。
そんなシェリーの手を引き、シルフォードは指定の入り口でチケットを提示していた。


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