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萌えシチュに今日もトロける【R18】

第8章 私のストーリー





「シェリー、ちょっと顔色が悪いんじゃない?」


そんな声にシェリーはハッと顔を上げる。

そこには心配そうにシェリーを見つめる両親と兄がいた。


「す、すみません。大丈夫です」


誤魔化すように微笑むと、シェリーは手にしたナイフとフォークを動かす。

今は朝食の時間だというのにボーっとしてしまっていた。


「そう? ならいいけど。辛いなら無理しないで言ってちょうだいね」


そんな母の優しさに胸が痛くなる。

毎晩えっちなことを考えていて寝不足ですなんて言えない…。


「シェリー、今日もし時間があるなら温室でお茶でもどうだい? 一緒にゆっくりしよう」
「お兄様…。えぇ、是非」


母によく似た兄、シルフォードが優しく微笑みかけてくれ、その提案にシェリーは頷いていた。

兄はこの家の長子であり、男爵家の跡取りだ。
姉二人もいたが、既に嫁いでしまっている。

仲の良い姉だったため、嫁いでしまった時は毎晩泣いて過ごし、その度にシルフォードが優しく抱きしめてくれたのを覚えている。

末子のシェリーには甘い家族だった。
とても優しくてベタベタに甘やかしてくれる両親。それを引き継いだかのような兄と姉。
姉は今では時々帰ってきて、シェリーに楽しい話を聞かせてくれる。


もう私は子供じゃない、と言いたいのに…つい家族の前だと子供になってしまうようだった。



その日の午後、温室に用意された紅茶を頂き、シェリーはぼんやりとしていた。

シルフォードは色々な話をしてくれたが、シェリーが眠そうになると隣に座って肩をかしてくれる。


「寝てもいいからね、シェリー」


そう言って本を取り出したシルフォード。
おやすみ、と頭を撫でられると、なんだか気持ちよくなってしまう。

温かい温室のせいもあるだろう。
たくさんの綺麗な花に囲まれ、シェリーは幸せを噛み締める。
と同時に夢の中へと落ちていった。


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