第4章 感謝の気持ち
「可愛いんですか?初めて言われましたよ〜何だか七ちゃんが聞いたら嫌がりそうですね」
「確かにね、七海は照れ屋だから」
クスクスと小さく笑う夏油先輩につられて私も笑えば、先輩は持っていたペットボトルをテーブルへと置きにこりと笑みを作った。
「ご馳走様でした、アイス美味しかったです!みかんもありがとうございました」
「いいえ、アイスもいくつかあるからこれも持っていきな」
「やったぁ!嬉しいです」
みかんとは別のに入れてくれたビニール袋にはアイスが三つ入っている。今度七ちゃんと雄君と食べよう。
ほぼ同時に床から立ち上がれば夏油先輩は当然のように先へ玄関へ向かい部屋の外を確認すると、グッと大きく扉を開いてくれる。
うん、今日も夏油先輩は紳士的だ。
「パンありがとう」
「いえいえ!私の方が結局色々貰っちゃってすみません」
「気にしないで、どれも貰い物だからね」
それでもお礼のつもりでパンを持ってきたはずなのに、しっかりと私に手土産を渡してくれる夏油先輩は本当にスマートで優しい先輩だ。
ちゃっかりアイスまで食べさせてもらっちゃったし。