第4章 感謝の気持ち
「はい!午前中は今話題のミステリー映画観に行って、そのあとパンの食べ放題食べて、あとは本屋さんに行ったりCDショップ行ったりぶらぶらしてました!」
「ミステリー映画って今CMやってるやつ?」
「そうです、CMで最近良くやってるやつ。面白かったですよ!いつも私と雄君の行きたい所に七ちゃんが付き合ってくれることが多いので、今回は七ちゃんセレクトの休日だったんです」
「へぇ、私も今度観に行こうかな。そっか、七海セレクトか。君達は本当に仲良しだね」
アイスを頬張る私を横目に、夏油先輩は立ち上がりにこりと優しく笑いながら冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出すと、それを一つ私の前に置いてもう一つを手に取る。
カチっという音がして、それを口へと付けると夏油先輩はごくごくと飲み込んだ。
「先輩達も仲良しじゃないですか」
「うーん、まぁもちろん仲は良いけど君達みたいな関係とは少し違うかなぁ。私達は3人で映画を観に行った事はないし、前に硝子は休日までお前らといたくないとか言っていたね」
「あー、確かに硝子先輩がそう言ってるの想像つきます!」
「だろう?私達仲は良いけど割とドライな時も多いよ。まぁ個々の性格が強いからかな。自己主張が強いから個人で好きなことしてる時も多いし。君達は何て言うか可愛いよね。いつも3人一緒にいて凄く微笑ましい。元気な灰原と冷静な七海と明るい柊木で良いバランスだ」