第4章 感謝の気持ち
私もいそいそとその隣へ行き腰をかけると、カップを手にパカっと蓋を開ける。
スプーンでアイスを口へと運び一口食べればその美味しさに頬が思わず緩む。
「美味しい?」
「はい!これすっごく美味しいです。夏油先輩も食べますか?」
再びスプーンへとアイスを乗せて夏油先輩へと差し出すと、夏油先輩は少しだけ驚いたような表情をしたあとすぐにその顔を緩め微笑む。
「私は大丈夫だよ、柊木が食べな」
そこでふと思う。いや、ちょっと待って…私の使ったスプーンで夏油先輩にアイスを差し出すなんて間接キスじゃん!!というか何してるの私!恥ずかしすぎ!!そりゃあ夏油先輩だって困った顔するよ!!
一瞬にしてボッと頬が染まったのが分かる。だけれどそれを誤魔化すようにして私は慌てて差し出していた手を引っ込めて、アイスを口へと放り込んだ。
「私は貰ったパンを頂くよ。実は今日昼を食べる時間が無くてね。助かったよ」
「忙しかったんですか?」
「報告よりも呪霊の数が多くて時間がかかってしまってね」
任務の時間の問題でお昼ご飯や夜ご飯を食べ損ねる事は良くある。まぁ正直食べ盛りの高校生がご飯を抜きだなんてとてつもなくしんどいのだが…まぁ任務上仕方のないことだ。