第4章 感謝の気持ち
「七海と灰原の分も持っていってくれると助かるんだけど、頼めるかな?」
「はい!もちろんです。じゃあ2人の分も取っちゃいますね」
「ありがとう、助かるよ」
袋へとみかんを次々と入れて行きそれを縛って持ち上げると、背後からはガサガサと何やら冷蔵庫を漁っている夏油先輩の姿が目に入る。
「この前悟と灰原がゲームをしに来た時に置いて行ったアイスがあるんだ。良かったら食べないかい?」
夏油先輩の手には有名なアイスメーカーのカップが握られている。しかも最近限定発売されている人気のやつだ。正直言ってめちゃくちゃ気になっていたやつ。
「良いんですか?でもそれ食べたら五条先輩に怒られるんじゃ…?」
「大丈夫だよ、きっと悟は置いて行ったのも覚えていないだろうからね」
「じゃあ食べたいです!ありがとうございます」
「ふふっ、どうぞ」
「やったぁ」
小さなテーブルへとコトンとカップとスプーンを置いてくれた夏油先輩はパンの袋を持ってベッドを背に自身もそのテーブルの前へと腰をかけた。