第29章 本当は
痛い。
いや、熱い…のか…な
もう、よく分からない。
ただ身体が酷く地面に打ち付けられた感覚だけはあって、その時触れた腹部からはドロリとした生暖かい何かが手先に触れたのだけは分かった。
視界が黒く染まっていく。
私、死ぬのかななんてことが頭をよぎって。けれど自分の腕の中にしっかり雄ちゃんを抱えていることだけはこんな状況の中でも確認することができた。
「灰原!!柊木!!」
遠くの方で七ちゃんの声がする。ごめん、七ちゃん…私、もう…
真っ黒に暗転していく中で、頭の中に浮かぶのは一つのこと。
ただ一つのことだった。