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【呪術廻戦】抱きしめた分だけ君を想う

第28章 染まりゆく





耳鳴りがする、心臓がうるさく響いて呼吸が浅くなったような気がした。




だって、今…五条先輩は何て言った。分からない。言われた言葉は分かっているはずなのに、その意味を理解出来ない。出来るはずがない…




目の前にいる五条先輩を、ただ呆然と見つめることしか出来なくて…確かに五条先輩を見つめているはずなのに、それはやけに現実離れして見えた。




何かを言おうと口を開くけれどあまりの衝撃のせいか、はくっと声にならない声が落ちるだけ。




そんな私を見て五条先輩は一体何を思ったのだろう。





今までに見たことがないほど眉を垂れ下げると、ゆっくりと唇を動かす。けれどその言葉が私へと届くことはなくて





「コォラー!!!誰だ!教室の床に穴を開けたヤツはー!!!」





真下からそんな怒鳴り声が聞こえてくる。その正体は、私達の足元にある穴の反対側からで、思わず反射的にそちらへと視線を寄越せば下からは恐ろしい顔をした鬼のような夜蛾先生がこちらを睨み付けていた。




「悟ッ!またお前かぁー!!!!」





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